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ラーメン画像.jpeg<すみれ>
札幌の中の島で昭和39年より開業されている老舗です。
ちなみに上の写真は羊蹄山になります。

<勤務医通信 第2回 2023/10>

「ラーメン一杯1100円・・ですか?」

ていね駅前泌尿器科 

砂押 研一

 

 皆様、初めまして。札幌で泌尿器科をやっております砂押研一と申します。この度初めて投稿させて頂くことになりましたので、まずは簡単な自己紹介をから始めたいと思います。昭和47年生まれの団塊ジュニア世代で、生まれは神奈川県ですが小学2年生で東京都北区田端に引っ越し、そのままそこで育ちました。都立小石川高校を卒業し駿台予備校で1年間の浪人生活を過ごした後、札幌医科大学に入学し6年後に医師となり、そのまま母校の泌尿器科に入局、以後もずっと北海道におります。ちなみに母親は北海道出身で祖父母をはじめ親戚が多くいたため、北海道には幼少期からなじみがある土地ではありました。しかし実家が東京にあるということで、学生時代は「医者になったら東京に戻るんでしょう?」といったことをよく聞かれました。しかし私自身はすっかり北海道が気に入ってしまい、東京に戻ろうとは少しも考えたことがありませんでした。

 北海道、特に札幌を気に入った理由はいくつか挙げられますが、大きな要因の一つに食べ物があるのは間違いありません。北海道の食といえば海産物、ジンギスカン、ラーメン、スイーツを含めた乳製品等昔から有名ですが、実際に東京にいるまでは嫌いで余り食べなかった鮭、イクラ、ウニはこちらに来てから大好きになりました。そしてラーメン。受験で札幌に来た際にたまたま入った街中のラーメン屋で味噌ラーメンを食べた時は感動しました。濃厚なスープに黄色い縮れ麺が良く合い、受験前日の緊張感をひと時でも忘れさせてくれました。入学後新たに出来た地元出身の友人達にその話をすると、「あそこの店は観光客がいくところで地元の人間は余り行かないよ。もっとうまいところあるから」と返され、札幌の人間はかなり贅沢だと本気で思いました。実は札幌人が贅沢というのは今も余り変わらずそう思っていまして、車が当たり前なので歩くのをめんどくさがる、高速道路で車はちゃんと流れているのに台数が多いと「渋滞」と言う、通勤通学に30分かかると「ちょっと遠い」と言われる、冬の外は寒いですが家の中は暖房をかなり効かせて半袖で過ごす・・等東京にいた頃は考えられないような快適な状態が当たり前としてとらえられています。そしてかくいう私もすっかりその環境に慣れてしまいました。

 話をラーメンに戻しますが、私は今でもちょくちょくラーメンを食べに行きます。行きつけは数か所あって、なんとなくその中でローテートしているのですが、その行きつけの店の中に「すみれ」という超有名店があります。ここは札幌の味噌ラーメンの草分け的存在でして、そこで修行した方が別の店を出してさらに有名になることも多く、そういった店は「すみれ系」と言われております。行く曜日や時間帯によっては並ばずに食べられることもあり、私は本店に行くのですが、たまたましばらく行っておらず、つい先日(2023年9月初旬です)半年ぶり位に家族で行きました。そこではまず食券を買うのですが、券売機を見て「んっ!?」となりました。「味噌ラーメン 1100円」「醤油ラーメン 1100円」となっているではありませんか!昨今の物価高は重々理解していましたが、それでもラーメン一杯で1000円を超えるのにはちょっと驚きました。 元々札幌のラーメンは他の地域に比べ少し値段が高いです。私が東京にいた頃は普通のラーメンは300~500円位でしたが、こちらでは600~700円が相場でした。それから30年以上が経ち、今の感じでは700~900円が相場でしょうか。そんな中での1000円超えということで、最初は「これを機にしばらく行くのをよそうか」とも思いました。しかし味は相変わらず美味しく、そのうち「食材、電気代も高くなっている中、従業員にちゃんとした給料を払うのにはこの位が当たり前なのかもしれない。自分の意識を変えてこれからもちゃんと通おう・・」などと変な決心をしたのでした。

 ところで・・・ですが、我々が直接関わる医療費、すなわち診療報酬についてはどうでしょうか?当然のことながらそれぞれが自由に値上げなど出来る訳もなく、しかし電気代、給食費、物品などかかる経費は色々値上がりしています。施設が古くなり修繕、建て替えが必要となってもそういった費用も上昇中で厳しいものがあります。電子カルテ、マイナ対応についても診療報酬で賄う必要があります。補助が出るといっても永続的ではなく長い目でみれば雀の涙ほどですし、「電子カルテ使用料として別途50円頂きます」という訳にもいかないのです。(実際徴収できたとして一人50円では割にあわないでしょうが)

 医療や医療費についてはコロナ禍以降、色々な人が色々なことを言っています。しかし、お金のかかりすぎるアメリカの医療や、患者が多大な我慢を強いられるイギリスの医療、レベルがまちまちと思われる中国の医療などと比べて、今の日本の医療は病を抱えた患者にとって最も良い制度なのは明白だと思っています。ただそれは医療者の多大な我慢の上に成り立っています。そこで医療者側、もっというと医師会が診療報酬アップを訴える訳ですが、この手のニュースがSNSでは叩かれがちです。「報酬」という言葉が良くないのか、あたかも医者がその「報酬」から高給を得て贅沢をしているというイメージにつながるのでしょうか?それに見ているとSNSで叩いているのが一般人だけではなく医師もいることが気になります。勤務医VS開業医の構造になってしまっていて、医師会が全ての医師に支持されている訳ではないことははっきりしています。

 社会情勢に合わせてある程度の裁量権を医療者側に持たせるなど、抜本的な改革が必要なのかもしれません。また高齢者がさらに増えて医療費が増大する中、少子化対策も喫緊の課題でしょう。将来国を支える人を増やしていかなくてはいけません。それにはどうしても政治の力が必要となります。(政治が何かすれば子供が増えるかどうかという根源的問題はありますが・・)ですからそういったことを踏まえつつ、医師会には頑張ってアピールしてもらいたいですし、勤務医は「どうせ医師会は開業医の団体だから」と背を向けるのではなく医療者として一致団結すべきと思います。

 え~っと・・ラーメンの話からかなり逸れた話題になってしまいました。申し訳ございません。とにかく私は値上がりしてもラーメン屋には行き続けます。それからラーメンの話ばかりしてしまいましたが、札幌はスープカレーも有名です。スープカレーこそ1000円以下では食べられませんが、ぜひとも試していただきたい逸品ぞろいです。皆さま、ぜひ北海道、札幌にお越しください!

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