症状から病気を知る
症状から病気を知る
1. PSAが高いといわれた
PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーとして検査されるため、前立腺癌が疑われます。前立腺の炎症や尿が全くでなくなった状態(尿閉)の後にも上昇することがあります。泌尿器科の診療が必要です。
2. 尿に血が混じる(血尿)
血尿は泌尿器科のいろいろな疾患で起こります。他の症状をともなう場合と血尿だけで他の症状がない場合があります。また肉眼的には普通でも検査で血尿を指摘されることもあります。腎炎などの内科疾患の可能性もありますが、まずは泌尿器科の診療が必要です。
1)何らかの症状がある:症候性肉眼的血尿
痛み、頻尿など何らかの症状があり、目で見て血尿がわかる状態です。多くは尿路結石、尿路感染症などの良性疾患ですが、局所症状を伴った膀胱がんのこともあります。
2)尿に目で見て血が混ざる以外に特に自覚症状がない:無症候性肉眼的血尿
痛みや頻尿など症状がなく血尿だけが症状の場合です。尿路上皮がんが2割の症例で認められ、その多くは膀胱がんです。尿路結石でも血尿のみで痛みを自覚しないこともあります。必ず泌尿器科の診療を受ける必要があります。
3)特に自覚症状はないが、検査で指摘される血尿:無症候性顕微鏡的血尿
目で見て尿の色は正常ですが、顕微鏡で観察して赤血球が認められる状態です。大きく内科的疾患と泌尿器科的疾患の二つに分けられます。血尿の原因は良性から悪性まで様々であり、尿路のいずれの部位からでも起こります。
腎臓は血液を浄化して体に余分な水分と毒素を尿として排泄します。浄化された血液は体の中に返されます。簡単にいうと腎臓は血管のかたまりで血液が充満している臓器と思って下さい。
内科的疾患とは、腎臓から血液がもれだす糸球体腎炎や血が止まりにくくなる血液疾患、薬剤関与などがあげられます。この場合、泌尿器科よりは腎臓内科を受診いただき、タンパク尿の有無や採血結果から、必要に応じて腎生検まで行うことがあります。
泌尿器科的疾患で症状を伴うものは膀胱炎や尿路結石等の良性疾患がほとんどです。しかし絶対見落としてはならないのが悪性腫瘍です。肉眼的血尿を自覚した方、健診で潜血尿を指摘された方、泌尿器科ではなくかかりつけ医でも構いませんので、まず検尿を行い結果に応じて専門的な判断をしてもらうことをお勧めします。
3.短時間のうちに何度も尿にいきたくなる(頻尿)
4.夜間何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
前立腺肥大症では夜間に何度もトイレに行きたくなる夜間頻尿が特徴です。また一般に夜間は尿量が減少しますが、夜間の尿量が減少しないため起こる夜間多尿が原因となる夜間頻尿もあります。夜間多尿は排尿日誌による評価で診断がつきますが、原因として心不全や睡眠時無呼吸症候群などがありこれらを改善する必要があります。
5.尿に行きたい感じが強く抑えられない(尿意切迫感)
急に尿意を覚えて、尿にいきたい感じが抑えられない症状を尿意切迫感と言います。過活動膀胱、膀胱炎、膀胱結石、前立腺肥大症など泌尿器科疾患で起こります。排尿時の痛みを伴うときには膀胱炎や膀胱結石が、男性では前立腺肥大症でも尿意切迫感がみられます。 炎症や肥大などがなく頻尿に尿意切迫をともなう過活動膀胱と呼ばれる病気があります。
6.尿が漏れてしまう(尿失禁)
尿が漏れてしまうことを尿失禁と言います。いろいろな病気が尿失禁の原因になります。非常に生活の質を起こす症状なので、早めに泌尿器科に相談しましょう。
7.尿をするとき痛みがある(排尿時痛)
膀胱炎、膀胱結石、男性では前立腺炎、尿道炎で排尿時の痛みが生じます。