令和6年度診療報酬改定の泌尿器科関連部分をまとめてみました。以下の内容は2月1 4日の中医協の答申をまとめたものです。今回の改定では「第14部第2節 その他 ベースアップ評価料」に大きな点数がついてます。今後発出される正式な告示、通知および疑義解釈を確認して早めに対応を行う必要がありそうです。<2024/2/23>
基本診療料
改正後 |
改正点 |
♙000 初診料 291 点 |
288 点⇒291 点(増点) |
♙001 再診料 75 点 |
73 点⇒75 点(増点) |
♙002 外来診療料 76 点 |
74 点⇒76 点(増点) |
入院料 |
|
通則 施設基準の追加 7 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策、栄養管理体制、意思決定支援及び身体的拘束最小化について、別に厚生労働大臣が定める基準を満たす場合に限り、第1節(特別入院基本料等を含む。)、第3節及び第4節(短期滞在手術等基本料1のそれぞれの入院基本料、 特定入院料又は短期滞在手術等基本料の所 定点数を算定する |
意思決定支援及び身体的拘束最小化を施設基準に追加 |
♙205救急医療管理加算 当該保険医療機関において、直近6か月間で、救急医療管理加算2を算定した患者のうち、「基本診療料の施設基準等」の別表第七の三の十三「その他の重症な状態」 の患者の割合が5割以上であること |
[施設基準の追加] |
♙400 短期滞在手術等基本料 |
|
1 短期滞在手術等基本料1(日帰りの場合) イ 主として入院で実施されている手術を行った 場合 (1) 麻酔を伴う手術を行った場合 2,947 (2) (2) (1)以外の場合 2,718 点 |
イ 主として入院で実施されている手術を行った 場合を新設(点数は改定前と同じ) |
ロ イ以外の場合 (1) 麻酔を伴う手術を行った場合 1,588 点 (2) (1)以外の場合 1,359 点
[泌尿器科でイを算定できる手術] 「K841-2」経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術の「1」 ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの 「K841-2」経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術の「2」 ツリウムレーザーを用いるものツリウムレーザーを用いるもの 「K841-2」経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術の「3」 その他のもの |
2,947 点⇒ 1,588 点(減点) 2,718 点⇒1,359 点(減点) |
2 短期滞在手術等基本料3(4泊5日まで の場合 |
|
~ D413 前立腺針生検法 2 その他のもの 10,262 点 (生活療養を受ける場合にあっては、10,188 点) |
10,197 点⇒10,262 点(増点) (生活療養を受ける場合) 10,123 点⇒10,188 点(増点) |
ト K007-2 経皮的放射線治療用金属マー カー留置術 30,882 点 (生活療養を受ける場合にあっては、30,808 点) |
33,572 点⇒30,882 点(減点) (生活療養を受ける場合) 33,498 点⇒30,808 点(減点) |
ヱ K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓 除去術 1 初回 26,013 点 (生活療養を受ける場合にあっては、25,939 点) |
28,842 点⇒26,013 点(減点) (生活療養を受ける場合) 28,768 点⇒25,939 点(減点) |
ヒ K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓 除去術 2 1 の実施後3 月以内に実施する場合、26,057 点 (生活療養を受ける場合にあっては、25,983 点) |
28,884 点⇒26,057 点(減点) (生活療養を受ける場合) 28,810 点⇒25,983 点(減点) |
イタ K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 (一連につき) 25,702 点 (生活療養を受ける場合にあっては、25,628 点 |
25,894 点⇒25,702 点(減点) (生活療養を受ける場合) 25,820 点⇒25,628 点(減点) |
イレ K823-6 尿失禁手術(ボツリヌス毒 素によるもの) 23,829 点 (生活療養を受ける場合、23,755 点) |
24,703 点⇒23,829 点(減点) (生活療養を受ける場合) 24,629 点⇒23,755 点(減点) |
イソ K834-3 顕微鏡下精索静脈瘤手術 21,524 点 (生活療養を受ける場合にあっては、21,450 点) |
23,870 点⇒21,524 点(減点) (生活療養を受ける場合) 23,796⇒21,450 点(減点) |
特掲診療料医学管理等
B001 特定疾患治療管理料 対象疾患より脂質異常症、高血圧症、糖尿病を除外 |
|
B001-3-3 生活習慣病管理料(Ⅱ) 333 点 保険医療機関(許可病床数が200床未満の病院又 は診療所に限る。)において、脂質異常症、高血 圧症又は糖尿病を主病とする患者(入院中の患者を除く。)に対して、当該患者の同意を得て治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、生活 習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に 、月1回に限り算定する(施設基準あり)。 |
(新設) |
B001の 37 慢性腎臓病透析予防指導管理料 (施設基準あり) |
(新設) |
検査
検体検査実施料は多くの項目で実勢価格に あわせて減点 |
|
D017 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査 3 その他のもの 67点 |
64 点⇒67 点(増点) |
D018 細菌培養同定検査 D018 細菌培養同定検査 1 口腔、気道又は呼吸器からの検体 180点 4 泌尿器又は生殖器からの検体 190点 5 その他の部位からの検体 180点 |
190 点⇒200 点(増点) 220 点⇒225 点(増点) 180 点⇒190 点(増点) 170 点⇒180 点(増点) |
D019 細菌薬剤感受性検査 1 1菌種 185点 2 2菌種 240点 3 3菌種以上 310点 |
180 点⇒185 点(増点) 230 点⇒240 点(増点) 290 点⇒310 点(増点) |
D400 血液採取(1日につき) 1 静脈 40 点 |
37 点⇒40 点(増点) |
3 動脈血採取(1日につき) 60 点 |
55 点⇒60 点(増点) |
投薬
F100 処方料 |
|
(削除) |
特定疾患処方管理加算1として、月2回に限り、1処方につき 18 点 |
特定疾患処方管理加算として、月1回に限り、1処方につき56点を所定点数に加算 |
特定疾患処方管理加算2を特定疾患処方管理加算に変更、および減点 66点⇒56点(減点)。 |
F400 処方箋料 |
|
3 1及び2以外の場合 60点 |
68点⇒60点(減点) |
(削除) |
特定疾患処方管理加算1の削除 |
薬剤の処方期間が28日以上の処方(リフィル処方箋の複数回の使用による合計の処方期間が28日以上の処方を含む。)を行った場合は、特定疾患処方管理加算として、月 1回に限り、1処方につき56点を所定点数 に加算する。 |
特定疾患処方管理加算2を特定疾患処方管理加算に変更、および減点 66点⇒56点(減点) |
注射
第6部 注射 |
|
G000 皮内、皮下及び筋肉内注射(1 回につき) 25点 |
22点⇒25点(増点) |
G001 静脈内注射(1回につき) 37点 |
34点⇒37点(増点) |
G004 点滴注射(1日につき) 2 1に掲げる者以外の者に対するもの (1日分の注射量が500mL以上の場合) 102点 3 その他の場合(入院中の患者以外の患者に限る。) 53点 |
99点⇒102点(増点)
50点⇒53点(増点) |
処置
J012 腎嚢胞又は水腎症穿刺 350点 |
J012 腎嚢胞又は水腎症穿刺 280点 |
【人工腎臓(1日につき)】 1 慢性維持透析を行った場合 2 慢性維持透析を行った場合 3 慢性維持透析を行った場合
導入期加算2 410 点 導入期加算3 810 点 |
【人工腎臓(1日につき)】
800 点⇒810 点(増点) |
J062 腎盂内注入(尿管カテーテル法を含む。) 1,612 点 |
1,290 点⇒1,612 点(増点) |
J067 誘導ブジー法 270 点 |
216 点⇒270 点(増点) |
手術
K000 創傷処理 3 筋肉、臓器に達するもの(長径10センチメートル以上) ロ その他のもの 3,090 点 |
2,690 点⇒3,090 点(増点) |
K001 皮膚切開術 3 長径 20 センチメートル以上 2,270 点 |
1,980 点⇒2,270 点(増点) |
K607-2 血管縫合術(簡単なもの) 4,840 点 |
4,210 点⇒4,840 点(増点) |
K6 08-3 内シャント血栓除去術 3,590 点 |
3,130 点⇒3,590 点(増点) |
K635-4 腹腔鏡下連続携行式腹膜灌 流用カテーテル腹腔内留置術 16,660 点 |
(新設) |
K645-2 腹腔鏡下骨盤内臓全摘術 168,110 点 |
(新設) |
K773-7 腎悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) 1 2センチメートル以内のもの 15,000点 2 2センチメートルを超えるもの 21,960点 注 フュージョンイメージングを用いて行った場合は、フュージョンイメージング加 算として、200点を所定点数に加算する。 |
(新設) |
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 13,860点 注 手術に伴う画像診断及び検査の費用は算定しな い。 |
注の新設 |
K798 膀胱結石、異物摘出術 3 レーザーによるもの 11,980 点 |
(新設) |
K802-4 腹腔鏡下小切開膀胱腫瘍摘 出術 14,610 点 |
12,710 点⇒14,610 点(増点) |
K809-4 腹腔鏡下膀胱尿管逆流手術 (膀胱外アプローチ) 39,280 点 |
(新設) |
K819-2 陰茎形成術 60,610 点 |
52,710 点⇒60,610 点(増点) |
K821-4 尿道狭窄グラフト再建術 50,890 点 |
(新設) |
K826-3 陰茎様陰核形成手術 8,070 点 |
7,020 点⇒8,070 点(増点) |
K828-3 埋没陰茎手術 8,920 点 |
7,760 点⇒8,920 点(増点) |
K830 精巣摘出術 3,180 点 |
2,770 点⇒3,180 点(増点) |
K830-3 精巣温存手術 3,400 点 |
(新設) |
K834 精索静脈瘤手術 3,410 点 |
2,970 点⇒3,410 点(増点) |
K835 陰嚢水腫手術 2 その他 2,630 点 |
2,290 点⇒2,630 点(増点) |
K836 停留精巣固定術 11,200 点 |
9,740 点⇒11,200 点(増点) |
K836-3 腹腔鏡下停留精巣内精巣動 静脈結紮術 20,500 点 |
(新設) |
K841-2 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術 2 ツリウムレーザーを用いるもの 20,470点 |
18,190 点⇒20,470 点(増点) |
K841-7 経尿道的前立腺水蒸気治療 12,300 点 |
(新設) |
K841-8 経尿道的前立腺切除術(高圧水噴射システムを用いるもの) 18,500点 |
(新設) |
第14部 その他
第1節 看護職員処遇改善評価料 |
|
区分 O000 看護職員処遇改善評価料(1日につき) |
基本診療料より 14 部に移行 |
第2節 ベースアップ評価料 |
|
区分 O100 外来・在宅ベースアップ評価料 (Ⅰ)(1日につき) イ 同一建物居住者等以外の場合 28点 |
(新設) 医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く。)の賃金の改善を図るための評価料 |
ロ イ以外の場合 7点 |
|
O101 外来・在宅ベースアップ評価料 (Ⅱ)(1日につき) 1 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ) |
(新設) 無床診療所のための追加のベースアップ評価料 |
O102 入院ベースアップ評価料(1日につき) 1点から165点 |
(新設) 病院または有床診療所のための追加のベースアップ評価料 |